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何かが見えるようになるまでは、ありすの日々はとても幸せで平和だった。
「一族の恥」 「お前などいなければいい」
この父親の言葉が、ありすのその後を大きく変えるとは、誰も思っていなかったであろう。
笑顔も涙も、自ら消し去ってしまったありすは、誰に対しても関心を示すことができなくなった。
次第に口数が減り、穏やかな紅い瞳だけがものを言うようになった。
それは非常に微妙で、塔に閉じ込められたありすの世話を命じられたばあやにしか
理解はできなかった。
それでも、父親の言葉はありすを縛り、苦しめ続けた。
5歳になったばかりのありすは声を失い、体調のすぐれない日々が続いた。